襖の張り替え、古い紙は
剥がさなくて大丈夫ですか?
先日、お客様のお宅から引き上げてきた襖です。張り替えてから、そう時間が経っていないもののはずでした。
それが、こうなっていました。しかも1枚ではありません。そのお宅の襖20枚が、すべて同じように下地から剥がれていました。
紙をめくると、原因が見えました
浮いているところに手をかけて、めくってみます。
剥がれていたのは、新しい紙と下地のあいだではありませんでした。古い紙ごと、まとめて浮いていたのです。
つまり古い襖紙の上に、新しい襖紙をそのまま重ねて貼ってあったということです。
なぜ、重ねて貼ると剥がれるのか
新しい紙をどれだけ丁寧に貼っても、その紙がくっついている相手は古い紙です。下地ではありません。
古い紙は、それまで何年も湿気を吸って乾いてを繰り返してきています。そこへ張り替えで水分を含んだ糊が入ると、さらに傷みます。傷んだ古い紙は、下地を掴んでいる力を失います。
そうなると、いちばん弱い層から離れていきます。新しい紙そのものはしっかりしていても、その足元が抜けてしまうわけです。
新しい紙が悪いのでも、糊が悪いのでもありません。下地の状態を見ずに重ねたことが原因です。
浮いてくるまでの早さは、下地の状態によります。貼った直後から浮きはじめていることも珍しくありません。今回のお宅も、20枚すべてが同じ状態でした。せっかく張り替えたのに、という残念な結果になってしまいます。
当店でも「張り替えたばかりの襖が剥がれてきた」というご相談をいただくことがあり、調べてみると多くがこのパターンです。剥がして貼り直すご依頼も受けてきました。
ただし、重ねてよい襖もあります
ここが分かりにくいところなのですが、襖の種類によって答えが変わります。
- 本襖(ほんぶすま) … 木で組んだ骨に、和紙を何層も重ねて作られた昔ながらの襖。紙を重ねていくのが本来の作りです。適切な状態であれば、上から貼って問題ありません。
- 戸襖(とぶすま)・段ボール襖 … 下地がベニヤ合板や段ボールでできた襖。紙を重ねる前提で作られていません。古い紙を剥がし、下地を整えてから貼るほうが安全です。最近の襖はこのタイプが多く使われています。
今回のものは、下地がベニヤ合板の戸襖でした。最近の襖はこのタイプが多く使われています。
ご自宅の襖は、どちらでしょうか
簡単な見分け方をお伝えします。
- 軽く叩いてみる … 太鼓のように軽く響けば本襖。詰まった鈍い音がすれば、ベニヤ合板などの下地が入った戸襖の可能性が高いです。
- 持ち上げてみる … ずっしり重いものは、戸襖が多いです。
とはいえ、実際には中間のものもあり、見た目だけでは判断がつかないこともあります。無理に決めていただく必要はありません。
お願いするときに、ひとこと確認を
張り替えをどこかに頼まれるとき、こう聞いてみてください。
「この襖、古い紙は剥がしますか?」
この一言で、下地を見て仕事をしているかどうかが分かります。当店では現物を確認したうえで、剥がす必要があるものは剥がし、下地を整えてから貼っています。作業前に、どちらの襖でどう進めるかをご説明します。
もし、すでに張り替えたばかりの襖が浮いてきているようでしたら、その部分だけを貼り直しても同じことが起きます。古い層を落として、下地から作り直す必要があります。
襖の状態を見てほしい、というご相談も承ります
お見積りは無料です。1枚から承ります。現物を見て、剥がすべきかどうかからご説明します。
📞 0285-77-4206受付 8:30〜18:00・年中無休
真岡市・益子町・市貝町・芳賀町ほか周辺地域
よくあるご質問
Q1. 古い襖紙は必ず剥がすものですか?
A. 襖の種類によります。木枠に和紙を何層も重ねた本襖は、重ねて貼るのが本来の作りです。一方、下地がベニヤ合板や段ボールの戸襖・段ボール襖は、古い紙を剥がして下地を整えてから貼るのが安全です。当店では現物を見て判断し、剥がす必要がある場合は事前にご説明します。
Q2. うちの襖がどちらの種類か、見分けられますか?
A. 襖の縁を持って軽く叩いてみてください。太鼓のように軽く響けば本襖、詰まった鈍い音がすれば、ベニヤ合板などの下地が入った戸襖の可能性が高いです。持ち上げたときにずっしり重い場合も戸襖が多いです。判断がつかないときは、お見積りの際に一緒に確認します。
Q3. 重ねて貼ってしまった襖はどうなりますか?
A. 下地になった古い紙が湿気で傷むと、その層から浮いて、新しく貼った紙ごと剥がれてきます。早い場合は貼った直後から浮きはじめます。すでに剥がれてきている場合は、古い層をすべて剥がし、下地を整えてから貼り直します。当店でもそうしたご依頼を受けてきました。
Q4. 剥がすと料金は上がりますか?
A. 当店では、通常の張替えの範囲で下地の処理を行っています。下地そのものが傷んでいて補修が必要な場合のみ、事前にご相談したうえでお見積りします。追加料金が発生する場合は必ず事前にお伝えします。
Q5. 何枚からお願いできますか?
A. 1枚から承ります。お見積りは無料です。